🔵第1学年 探究講演会「領域を超えて」
令和7年11月26日(水)第5・6限目、川西康之様をお招きし、本校1年生に向けた探究講演会を実施しました。川西様は、株式会社イチバンセン ICHIBANSEN / nextstations 一級建築士事務所 代表取締役を務めておられ、これまでに「グッドデザイン賞」など、35を超える数の賞を受賞されました。
講演会では、土佐くろしお鉄道中村駅リノベーション事業や近鉄電車の車両デザインなど、これまでに携わられたプロジェクトの内容や思いについて、お話ししてくださいました。特に、川西様の地元である近鉄結崎駅のリニューアル事業の話は、生徒にとって大変身近なものであり、真剣に耳を傾けていました。
住民の思いや願いを誠実に拾い上げ、人々のつながりを大切にしながら、建築・まちづくりに取り組まれておられることが大変印象的でした。また、高校生に向けて、国内外問わずさまざまな経験を踏まえて判断力や感性を育て、「自分が将来何をしたいか」を考えるべきだと、熱いメッセージを送ってくださいました。
以下に、生徒の感想の一部を掲載します。
・本日は貴重なご講演をありがとうございました。本物を見る大切さや、社会で必要なことを学ぶことが出来ました。また、自分の力で見聞きしたことは一生残るのだなと思いました。私が今思い描いている将来が本当にしたいことなのか考え直すいい機会となりました。ありがとうございました。
・今日は川西さんのお話が聞けて本当に良かったです!!私は通学で結崎駅を毎日通るけど、夜に見たときが特にすごく綺麗な駅だなとずっと思っていて、一度行ってみたいな降りてみたいなと思っていました。何があるかわからないけど、そう思ったことがあるくらい素敵な駅だなと思っていました。また、やさしばの電車によく乗っているので、すごく身近にあるものを川西さんがデザインしたものだと知ってすごくうれしいと思えました。私は、自分の駅の最寄りや、学校の最寄り駅に中村駅のような自習ができるスペースが欲しいと思っていたので、ぜひ川西さんに作っていただきたいと思いました!!今日はお話していただきありがとうございました!
・貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。好きなことを仕事にすると良いとおっしゃっていたので僕も好きなことに繋がるようなことをしようと思いました。また、いろんな場所に行って実際に暮らしてみることはその場所の歴史や地理的なことを知れるだけでなく、人との出逢いで今後に繋がるということを知れたので、僕も旅行だけでなく、実際に住んでみようと思いました。川西さんのお話を聞いてやっぱり人脈は大事なんだなと思いました。時間についてもあっという間に時間は過ぎるのでその時間を今以上に有効活用していこうと思います。本当に貴重なお話ありがとうございました。
・今回はお忙しい中、講演に来てくださりありがとうございました。近鉄の新車両のデザインを手掛けていたり、結崎駅のデザインも担当したなど、私も普段から利用するのでとても驚きました。結崎駅は去年から利用していなくて、まだ新しい駅が見れていないので休みの日にまた見に行こうと思います。旅をしてみることの大切さについてもお話しされていて、20歳までに日本全国を制覇する行動力がとても素晴らしいと感じました。また、人々が何を思って生活しているのかや何を誇りに思っているのかなど、現地でしか感じることのできない経験ができると知り、実際に足を運んでみることの大切さに気づくことができました。夢を持つことも大事だけれど、まずは目の前の目標を達成できるよう積極的に行動していこうと思いました。
🔵中間発表会
令和7年11月7日(金)、11日(火)に、「2年生による探究中間発表会」を実施しました。この発表会の目的は、研究を深化させる「突破口」を見いだすことです。そのために生徒たちは、自分たちのこれまでの探究の過程を振り返り、課題を整理するなどしました。発表の際は、聞き手に伝わりやすい言葉を選び、グラフや図、研究に関係するイラストなどを効果的に用いるなどの工夫をすることが求められました。聞き手の生徒は、発表者が新たな視点を得られるよう、様々な視点から質問をすることが求められました。
指導助言者としてお越し頂いた、京都教育大学 名誉教授 村上 忠幸 先生をはじめ、多くの有識者の方々、保護者の方々にも、聞き手としてご参加いただきました。
発表会にご参加頂いた有識者の方々からは、着眼点が素晴らしく、面白いテーマが多いというご講評を頂きました。一方で、フィールドワーク先で得た情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の視点で捉え直す等、「自分で手を加える」必要があることをご指摘いただきました。より「面白い」研究に育てるために、自分の研究の出発点に戻り、本来自分が見出したかったことを再確認する大切さを教えていただきました。
これから生徒たちは、今回の発表会を通じて得た気づきを活かし、今後の研究計画を見直し、実践していきます。
🔵探究月間 第1学年探究講演会「平和と教育」
令和7年11月6日(木)第6・7限目、ルワンダ出身の永遠瑠マリールイズ氏をお招きし、本校1年生に向けた探究講演会を実施しました。
永遠瑠様は、1年生が使用している英語コミュニケーションⅠの教科書に登場し、9月には授業を通してご本人の想いやルワンダで起きた大虐殺を学びました。そして講演会では、永遠瑠様が経験された内戦や大虐殺、家族とともに生き抜いた難民キャンプでの経験を写真とともにお話しいただき、授業の中ではみえなかった内戦の残酷さに触れました。さらに、ルワンダを離れて来日した経緯や日本の生活で直面された困難を、永遠瑠様の言葉から知ることで、「当たり前に教育が受けられることの幸せ」や「生きていることの奇跡」を改めて考える機会となりました。また、生徒は永遠瑠様の言葉をしっかりと受け止めている様子で、講演会に聞き入っていました。
以下に、生徒の感想の一部を掲載します。
・一番心に残ったのは、「学んだことは生きている限り助けてくれる」「生きているだけで全てを持っている」という言葉です。私は他の誰でもない私のために学校へ行って勉強をして、他ではできないかけがえのない経験をしているのだと気がつくことができました。
・永遠瑠さんが何度も平和と繰り返し言ってくださったことで、自分たちがどれだけ平和な環境にいるのかを再確認できました。また、最後の”believe”をみんなで歌唱した時に、これが平和への第一歩なのかもしれないと思いました。
・学校に行けること、勉強ができること、友達と笑い合えることなど、私たちにとっては当たり前のように感じてしまうけれど、その当たり前の幸せは平和の上に成り立っていることを実感させられました。
・永遠瑠さんが手がけている小学校や保育園の子供が日本語を話せるようになるように、教育を受けたことで大人になっている自分を想像できていなかった子供たちが将来の夢まで考えることができるようになったことに、とても感動しました。永遠瑠さんが命懸けで生き抜いた経験から、多くの子供たちへ貢献している姿を見て、自分にできることを探そうと考える機会になりました。
🔵第1学年探究講演会 「大手テレビ局を辞めて起業家に」
令和7年11月5日(水)第5・6限目、の西口昇吾様をお招きし、本校1年生に向けた探究講演会を実施しました。西口様は、アバターと生成AIのAVITA株式会社の創業者 / 取締役副社長COOです。地元三重県明和町の地方創生プロジェクトや、大阪・関西万博の「いのちの未来」パビリオンなどに関わり、多方面で活躍されています。
講演会では、アンドロイドやVtuber事業などの最新技術について紹介してくださいました。アバターや生成AIで人類をアップデートし、高齢者、障がい者、引きこもりなどの外出困難者を取り残すことなく、誰もが参加できる社会の実現を目指しているという、西口様の壮大な夢をお聞きすることができました。また、学生時代や大手テレビ局にご勤務されていた頃の経験談、海外でのホームレス生活やジャングルでの研究などの体験談まで、大変充実した内容でした。特に、「居心地が良くなったら、居心地が悪い場所へ行く」という西口様の言葉に、多くの生徒が大変刺激を受けていた様子でした。質疑応答の時間も、大変貴重なものでした。
以下に、生徒の感想の一部を掲載します。
・本日は素晴らしいご講演をありがとうございました。今回、西口さんがおっしゃった、「失敗を失敗で終わらさなければいくらでも失敗すればよい」という言葉にはとても痺れました。私はいつも失敗を恐れて逃げてばかりだったので、これからはこのことを踏まえたうえで、なるべく「居心地が悪い方」に行くようにしようと思います。
・素敵なご講演ありがとうございました。西口さんの「怒りは経験と実力がないだけ」という言葉がすごく心に響きました。私は勉強でもスポーツでもできない壁にぶち当たると、すぐに思うようにいかない自分にイライラして、前向きな考えをもって物事に取り組むことができませんでした。ですが西口さんのこの言葉を聞いて、物事に取り組むにあたってイライラの感情を抱くことは、まだまだ自分にはできるというサインなのだと感じました。これから先も沢山のイライラを経験して、自分を信じて楽しみながらいろんな経験をしていきたいと思いました。
・海外などの今いる場所とは違う場所がとても遠く感じていました。お話をお聞きして居心地がよくなったらすぐに新天地へ飛び込むことも大切なんだなと気づくことができました。自分はよく人に嫌われるのが嫌で、当たり障りのないようなことをいうことがよくあったのですが、自分は自我も強くて本当にどうしようか悩んでいました。今日のお話で「人に嫌われるのは自然災害」というお言葉が本当に心に残っていて、この言葉を大切にしてこれからの人生でたくさんの点を作っていこうと思います。
・アバターは障がい者の方や人間関係が苦手な方でも仕事をすることができるすごく便利なものだなと思う反面、私はこの世界全部がアバターになることには少し抵抗を感じました。でも、西口さんのアバターのように100言語話せるというのはすごく必要だと思いました。西口さんがおっしゃった言葉で1番心に残ったのは「夢や目標はなくていい」です。今でも夢はあるけど絶対にそこに辿り着かなくてもいいし、今の夢とこの先は変わるかもしれないと思うことができました。だから文型を選んでも間違いじゃないし、いつかこれでよかったってなるかもしれないと思ったらポジティブになれました。
🔵名古屋大学見学会を実施しました
7月23日(水)、名古屋大学見学会を実施しました。1・2年生希望者80名が参加をしました。大学のご厚意により、工学部の先生方や大学院生の方による詳細な学科説明、研究室訪問、学生の皆様との交流など、本校生徒のためにプログラムを組んでくださり実施に至りました。参加生徒たちからは、大学での学びを具体的に描くことができ、進学の目的や、日頃の学習に対する意識が高まったという声が沢山聞かれました。また実際に、名古屋大学で学んでおられる学生の方々の声を直接聞くことにより、学生生活に対する期待感が高まったようです。関係者の皆様方のご配慮により、生徒たちは充実した1日を過ごさせていただきました。視野を拡げ、自分の可能性を広げるきっかけにしてくれることを期待しています。
実施にあたり関係してくださった皆様方に、深く感謝申し上げます。
🔵1年生「探究基礎(作法の時間)」が始まりました。
第1回目の「探究基礎(作法の時間)」の授業では、災害発生時の避難所で使用できる「はきもの」を4人グループで製作しました。製作する上で考えるべき条件を思いつく限り出し合い、グループでアイデアを分類し、取り入れたい条件を絞り込みました。使用できるものは、新聞紙、マスキングテープ、はさみ。もちろん使用については自由です。試行錯誤を繰り返しながら、生徒たちは自分たちのグループの「はきもの」について考え抜いていました。最後に、グループで大切にした条件、製作する上で工夫した点、難しかった点などについて、生徒たちは自分自身の言葉で説明しました。他のグループの発表を聞くときも、生徒たちは目を輝かせていました。
ここで生徒たちの声をいくつか挙げます。生徒たちは、活動の振り返りとして、気づいたことや学んだことを「気づきノート」に自分自身の言葉で記述しています。
・メンバーの「粘土みたいにくっつけていく?」という意見には、自分にはそんな発想がなくて驚いたし、すごいなと思った。
・ひとりひとり違った個性があることで、この世界にはたくさんの種類の製品が存在していることに気がついた。
・付箋に書いた意見をしっかり分類していくと、方針が早く決まった。同じような意見を丸で囲っておくと後々見やすかった。
・災害時の「はきもの」にファッション性はいらないと思っていたが、そんな時こそ明るい気分は大事かもしれない。
後日、クラス代表の計9グループが、教員の前で改めて発表をしました。生徒たちの新鮮なアイデアには本当に感心させられます。
🔵令和7年度 「3年生による1年生向け探究成果発表会」が行われました
令和7年5月2日(金)、本校文化創造館で、「3年生による1年生向け探究成果発表会」が行われました。
京都大学教育学研究科 特任教授 恩田徹 先生をお招きして、先生にも発表会をご覧いただき講評をいただきました。
今回の趣旨は、大きく2つあります。一つは2月の発表会で代表として発表した生徒が進級後、1年生に向けて発表をすることで、「自分の分かっていること」を「1年生の視点で」話しをすることで自らの探究過程を再度俯瞰する機会をつくること、もう一つは1年生が「聞き手」として先輩である3年生に質問をすることで、「分かる」定義を確認するのが意図です。質問するということについては、1年生には初めての経験で、積極的に質問ができていたわけではありませんが、「分かったふりをせずに」「分かるまで理解をしようとする」姿勢があらゆる場面で大切であることを気づく一つのきっかけになったことを期待しています。
1年生にとっては、あらかじめ配布された先輩たちの発表要旨一覧から、各自の興味・関心に沿った発表テーマを選んで、自由に聞いて回りました。3年生は初めて「聞き手」として参加をする1年生の状況を理解して、丁寧に説明をしていました。
発表者も聞き手も楽しめた発表会になり、和気藹々とした雰囲気の中、双方が学ぶ機会とななりました。
🔵2年生対象 探究講演会を実施しました
令和4年卒業生 片岡千遥氏をお迎えし、2年生対象に『探究テーマとの出会い』 というテーマで講演会を実施しました。
在学中の「課題研究」では、「女子の中距離選手のランニングシューズづくり」というテーマで取り組まれていました。テーマ選びの際、どのような経緯で決めたか、「課題研究」を通してどのような経験ができたか生徒たちにわかりやすくご講演してくださいました。また、「課題研究」の取組を通しての経験が、進路決定や就職活動の際にどう影響を与えたか具体的にご講演してくださいました。
講演会後の生徒たちの振り返りには、テーマ決定について具体的に聞けたことで、今後の「課題研究」・「理数探究」に取り組むことが楽しみになったことや、進路決定について自分の好きなものを探究するために大学を選ぶこと、将来に向けた展望などを考える機会になったといった声が多く聞かれました。畝傍高校の先輩が自分の夢を実現する姿を見ることができ、良い機会になりました。
片岡様、お忙しい中ありがとうございました。益々のご活躍をお祈り申し上げます。
以下に生徒の感想を掲載します。
・ 私はまだ明確に将来どんなことをしたいかまだ決まっていません。また課題研究のテーマも決まっていません。今日の講演を聞いて、課題研究を通して自分の将来の可能性を広げていきたいと思いました。
・ 課題研究に対するイメージが漠然としていて不安だったけど、今日の講演を通して実際に探究をするのが楽しみになりました。
・ 課題研究は勉強の一貫だと思っていたけど、自分の進路を広げるためのツールであると感じました。
・ 理科系の学部に入りたいと思っています。実際の大学での生活や研究内容について具体的に聞けて良かったです。進路について考えるのが楽しみになりました。
🔵2年生対象 探究ワークショップを実施しました
京都教育大学 村上 忠幸 先生をお迎えし、2年生全生徒対象に「紙コップの不思議を探る」 といテーマで探究ワークショップを実施しました。 紙コップにお湯を入れ、アルミホイルを敷いた机に置いておくと水滴がつきます。この現象を題材に、グループで議論、仮説を立て、実験を通して探究を行いました。
年度初めということもあり、ぎこちなく活動していた班もありましたが、最後にはお互い協力し活動をしていました。 授業後には、「班で協力し、テーマについて話し合い・実証するのが楽しかった。時間が短く感じた。」と言っている生徒が多数いました。また、「”探究”という科目でどんな力がつくか楽しく学べた。課題研究・理数探究が楽しみになった。」と言う声もありました。 仮説を立て、実証(実験)し、考察するという探究の面白さが実感できたワークショップになりました。村上様、3日間ありがとうございました。